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外国人も厚生年金に加入するの?日本の年金制度をわかりやすく解説

日本で働く人が加入する「厚生年金」は外国人も加入する必要があるのでしょうか?複雑な日本の年金制度ですが、外国人が加入する際に損をしないためにも、かならず知っておきたい日本の「年金制度」についてわかりやすく解説します。

外国人も年金制度への加入は必須

まず、日本の年金制度への外国人の加入は必要かどうなのかという点ですが、結論から言うと答えは「YES」です。

 

 

日本の年金制度(Pension system)は、いま働いている世代が保険料(Insurance Fee)を支払い、そのお金が年金(Pension)として高齢者に支払われる仕組みになっています。

 

 

日本では、20歳以上60歳未満の人はかならず「年金制度」に加入しなければいけません。この年金制度への加入は日本人だけでなく、日本に住む外国人も加入が必須となります。

 

年金制度の種類、外国人が加入するのはどの年金?

日本には大きくわけて二つの年金制度があり、「二階建て」の制度になっています。

 

  • 1階部分:20歳以上60歳未満すべの人が加入する「国民年金」
  • 2階部分:会社などに勤務している人が加入する「厚生年金」

 

日本で働く外国人は「国民年金」と「厚生年金」の両方に加入

つまり日本に住む20歳以上60歳未満の外国人は必ず「国民年金」への加入が必要です。さらに日本企業で働いている場合「厚生年金」への加入も必要です。

 

 

外国人だから「厚生年金」に加入すると損をする?

iStock.com/Deagreez

 

日本の年金制度への加入が必須ということは分かりましたが、短期で日本に来ている外国人の方や、長く日本で働く予定のない方であれば、外国人の場合は日本で保険料を払っても将来的に日本で年金をもらえない可能性もあるのでメリットがないのでは?と心配になり加入をためらうこともありますよね。

 

 

けれど心配は無用です。外国人が「厚生年金」に加入し、保険料を支払っても損をしない制度が日本にはあります。それは社会保障協定と、脱退一時金という制度です。

 

その1:社会保障協定

iStock.com/pixelfit

 

 

社会保障協定を結んでいる2国間では、保険料の支払いと年金の受給について様々な融通が利くようになっています。具体的には下記の2つのメリットがあります。

 

  1. 保険料の二重負担を防ぐために加入するべき制度を二国間で調整する。
  2. 保険料の掛け捨てとならないために、自国の年金加入期間を協定を結んでいる国の年金制度に加入していた期間とみなして取り扱い、その国の年金を受給できるようにする。

 

難しいと思うので、かみ砕いて説明していきます。

 

① 保険料二重負担の防止:

 

あなたの母国が日本との間に社会保障協定を結んでいる場合、日本と母国の間で保険料が2重の支払いにならないように調整が可能です。

 

② 年金加入期間の通算:

 

日本で年金を受け取るためには保険料を10年以上支払っている必要があります。しかし、この年金加入期間の通算制度が適応された場合、例えば日本で5年しか保険料を支払っていない場合でも、母国で5年以上保険料の支払いをしている場合に、支払期間を合算することが出来る制度です。

社会保障協定を締結している国は?(2019年12月時点)

下記の国が社会保障協定を締結している国ですが、一部の国(イギリス、韓国、中国)では二重負担の防止のみで、年金加入期間の通算は適用されないため注意が必要です。

 

  • ドイツ
  • イギリス
  • 韓国
  • アメリカ
  • ベルギー
  • フランス
  • カナダ
  • オーストラリア
  • オランダ
  • チェコ
  • スペイン
  • アイルランド
  • ブラジル
  • スイス
  • ハンガリー
  • インド
  • ルクセンブルク
  • フィリピン
  • スロバキア
  • 中国

 

その2:脱退一時金制度

 

脱退一時金とは、日本で厚生年金制度に加入していた外国人が日本を離れる時に、払った保険料が掛け捨てになってしまわないための制度です。

 

下記の条件に当てはまる外国人が、日本を出国する2年以内に請求することができます。

 

  • 6カ月以上日本で働いたことがある
  • 6カ月以上厚生年金に加入していた
  • 日本の老齢年金などの受給資格期間(10年間)を満たしていない

 

細かい手続きに関しては日本年金機構(Japan Pension Service)のページに各言語の説明書が掲載されていますので、確認することをお勧めします。

 

出典:日本年金機構

 

 

脱退一時金の申請には年金手帳が必要

 

脱退一時金の手続きをするためには年金手帳が必要です。または基礎年金番号があれば手続きが可能です。

 

出国して2年以内となると年金手帳を失くしてしまう方もいるので、忘れずに手元に置いておくように注意しましょう。

 

「厚生年金」への加入方法

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厚生年金の加入手続きは基本的に会社を経由して行うため、本人による特別な加入手続きは必要ありません。

 

 

また保険料は給与から天引きされますが、半分は企業が支払いを負担してくれるため本人の負担量も半分になります。

 

 

(日本企業で働いておらず、国民年金のみの加入の場合は本人で加入手続きをしなければいけないため注意しましょう。)

 

外国人も厚生年金の加入は絶対

日本で保険料を払うと損をするような気がして、厚生年金制度への加入をためらう外国人の方もいるかもしれませんが、日本では外国人であっても厚生年金制度への加入は絶対です。

 

 

ただ、上で説明したような掛け捨てや二重の支払いにならないような制度もありますので、日本で支払った保険料が無駄にならないように自身でしっかりと制度の理解をすることが大切です。

 

手続きの仕方が難しくてわからない、という外国人の方は一度専門家に相談してみるのも良いかもしれませんね。

 

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